株式会社大山会計

皮膚科診療所の
経営のポイント

1. 経営環境について

経営環境について

皮膚科診療所の開業は、他科に比べると開業コストが低く収益性の高い科目といえます。開業時に最低限必要な機器は顕微鏡、オートクレープ位なので開業コストが低くなります。
又、皮膚科は緊急性の高い疾患が少なく、前述のとおり開業コストが低く抑えられるため、ここ10年で皮膚科の医師数は15%増加し、特に女性医師の増加が目覚ましい状況です。

保険診療においては、患者層は乳幼児から高齢者まで幅広いことが特徴です。また今後、国全体で医療費の抑制が必要なことから、診療報酬は下がる傾向と考えられます。

保険診療の他に、保険外診療に力を注ぐのであれば、高価な美容機器、パウダリールームの設置、高級感のある待合室づくりなど、多額の投資が必要となるため、診療方針をしっかり立て綿密な経営計画が不可欠です。

2. 経営戦略のポイント

一般的皮膚科診療の他、巻き爪(手術含む)治療、外反母趾治療、アトピー性皮膚炎など専門的特色を打ち出すことができれば、他のクリニックと差別化ができます。

自費診療や化粧品販売を導入する場合は、診療方針、コンセプトを明確にした上で、ホームページやスマートフォンで「強み」「実績」「料金」「インフォームドコンセントによる安心感」をPRする必要があります。

治療目的の保険診療の患者様と、美容目的の自費の患者様との対応は全く異なります。まずは保険診療で治療の実績を重ねた上で、自費・美容診療へ導入することが望ましいです。リスクの開示とリスクヘッジの方法をホームページに掲載することで、患者様の信頼をいただくことができます。

夏場の繁忙期は2時間待ちが当たり前になりがちですが、長時間の待ち時間は患者離れにつながりかねません。薬の塗り方や処置方法をスタッフが患者様へ十分に説明できれば、医師の診察時間が短縮できます。スタッフ教育が「待たせない診療」のポイントとなります。

3. マネジメントポイント

①自院の強み、専門性、実績をWEBで徹底的に訴求します。治療症例をわかりやすく掲載することで、保険診療も美容診療も「安心感」を伝えることができます。

②患者様の年齢層が広いため、スタッフによる薬の塗り方や処置方法は、ツールやタブレットを使用して、わかりやすく丁寧に説明します。

③繁忙期に長時間お待たせしないクリニックを目指します。ホームページ・スマートフォンによる予約システムの導入も有効ですが、高齢者にも配慮して電話による予約システムも並行して導入することが効果的です。