株式会社大山会計

利益計画の作成と
利益差異分析

1. 利益計画の作成

利益計画の作成

前年の決算の内容を分析して、売上、限界利益率(粗利益率)、固定費についてその内容を明らかにします。売上の分析には会計データとレセプトデータを活用します。

まず、売上は1日あたり患者数、患者1人当たり診療単価、来院回数、新患率などについて明らかにします。次に売上の構成要素である診療行為の内容を分析します。診療行為別の売上の推移を明らかにしたうえで、診療行為別構成比の比較検討を行います。診療行為別構成比が変化すると、限界利益率(粗利益率)が変動するので、構成比の変化と限界利益率の変化について注意深く検討します。

固定費は減価償却費、地代家賃、給与手当のようにほぼ一定でコンスタントに発生する費目の他に、修繕費や消耗品費のように、イレギュラーに発生する費目もあるので、費目別に発生内容を精査します。

以上の準備をしたうえで、院長先生に当年度の目標、心づもりについて語っていただきます。売上については1日あたり目標患者数と目標診療単価を決定していただき、目標売上を算定します。
また、診療行為別売上構成比について検討していただくことにより、限界利益率が確定します。

固定費については人材採用の有無、人件費のベースアップの状況、設備投資の有無とその効果などについて聞き取り、更に各費目別の発生金額の予測額について検討して目標金額を設定します。

売上、限界利益率、固定費の目標額が決定すると利益金額が確定します。算定された利益金額が院長先生の目標とする利益を下回っている場合には売上の見直し、費用の見直しを行います。売上については1日当たり目標患者数が増加可能か、または診療単価の増額が可能か検討します。費用については各費目ごとにコントロール可能な範囲で見直しを行います。以上の手続きを経て院長先生の納得がいく利益計画を完成させます。

2. 利益差異分析

毎月の売上、限界利益率、固定費のそれぞれについて計画と実績の対比を行います。計画の根拠が明確であるので、差異の発生した要因を分析検討することが可能です。差異の原因を明らかにして業務の改善や計画変更等の検討を行います。